障害者とファッション　1998.Jan.15

　最近、髪を染めた。というより『脱色』をした（つまり “茶髪”）。　突然、思い立った訳ではなく１年ほど前からやってみたいと思っていたが、知り合いにそういう人がなく方法が分からないということもあった。何しろ１度やれば数ヵ月は元に戻らない、一発勝負に近いものだ（と、思っていた）から…

　普通なら美容院などでやってもらう訳だが、車いすで楽々入れるお店は、まだまだ少ない。また、車いすのままでは洗髪台の使用も難しいだろう。障害の種類・程度によっては障害者と店員とのお互いの慣れも大切で、行きつけの床屋から店を変えることも気楽にはできない。

　友だちとの雑談の中で、そんな話をしていたら「じゃ、脱色剤をコンビニで買ってくるから、今からやろうか！」と近所のコンビニで買ってきて、全部手伝ってくれた。
　「ちょっと時間がかかって、やり過ぎちゃったけど、なかなかイイじゃない!?」という出来栄え。

　古い障害者のスタイルに「丸坊主か、おかっぱ頭。　トレーニングウェアの上下」というイメージがあったし、今でもあると思う。障害の程度によっても違うし、本人の意思が一番大切ではあるが、このスタイルは自分では「ゾッ！」とする。

　初めは、ただ「一度やってみたい。やるのなら今しかない」という気持ちからだった。今やってみると、いろんな気持ちや、疑問も出て来ている。

（１）こんなことだけで、意外な気分転換になる。（当然ですが…）

（２）それを見て、ただ「いいじゃない…」というだけの人もいる（内心はどうだろう？)。
　　これは障害者に対する、漠然として意味のない「大変ですね、頑張ってください！」と
　　以てるような気がする（意識過剰だろうか？）。

（３）もっと、街の中で注目されるかと思ったが、普段から車いすに注目されているためか、
　　思ったより変化は感じなかった（気付かないだけかも…）。

（４）「かわいそう」や「恐い」というイメージが、残念ながら、まだあると思う。茶髪という
　　共通のスタイルによって、その見えない壁が少しでも低くなるような、そんな気もする。
　　（これまた考え過ぎ…？）　また、そうなることを期待したい。

（５）気負い過ぎて福祉活動に飛び込めないでいる人や、「福祉活動なんてダサイ…」と
　　思っている人たちが、どんな反応をするのか、変化があるのかを見てみたい気がする。

※ただ「やってみたい」ということから始まったが、今は、説明しにくい［ノーマライゼーション］を
　広める一つの形かもしれない、とも思う。（最後まで考え過ぎ…？）

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